
インフルエンサーマーケとは?メリット、はじめ方、成功事例まで徹底解説!
インフルエンサーマーケティングとは何か、その基礎知識から具体的な始め方、効果測定のポイントまで詳しく知りたい方へ。本記事では、定義や注目される理由、メリット・デメリット、費用相場、成功事例、注意点を網羅的に解説します。これを読めば、インフルエンサーマーケティングを成功に導くための知識と実践的なノウハウが明確になります。
目次[非表示]
▼ インフルエンサーマーケティングについて詳しく説明した資料はこちらからダウンロード!
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングとは、主にソーシャルメディア(SNS)上で大きな影響力を持つ「インフルエンサー」に、企業の商品やサービスを体験・紹介してもらい、その情報をフォロワーなどの消費者に届けるマーケティング手法です。
「インフルエンサー(Influencer)」とは、英語の「influence(影響を与える)」を語源とし、特定の分野やコミュニティにおいて、人々の思考や行動に大きな影響を与える人物を指します。彼らは、Instagram、YouTube、X(旧Twitter)、TikTokといったプラットフォームで、自身のライフスタイル、専門知識、趣味などに関する情報を発信し、多くのフォロワー(ファン)を獲得しています。
企業は、自社の商品やブランドと親和性の高いインフルエンサーに依頼することで、そのインフルエンサーが持つ影響力や信頼性を活用し、ターゲットとする消費者層へ効果的にメッセージを届け、ブランド認知の向上、興味関心の喚起、そして最終的な購買行動へとつなげることを目的とします。
1. なぜ今インフルエンサーマーケティングが注目されるのか
インフルエンサーマーケティングがこれほどまでに注目を集める背景には、いくつかの重要な要因があります。
-
消費者の情報収集行動の変化:
かつて主流だったテレビCMや新聞広告といったマス広告の影響力が相対的に低下し、インターネット、特にSNSが情報収集の主要な場となりました。消費者は、企業からの一方的な情報よりも、実際に商品を使用した人の口コミや、信頼できると感じる個人のレビューを重視する傾向が強まっています。 -
SNSの利用者増加と影響力の拡大:
Instagram、YouTube、X、TikTokといった主要SNSの国内利用者数は年々増加しており、人々の日常生活に深く浸透しています。これらのプラットフォームでは、情報が瞬時に、かつ広範囲に拡散される可能性があり、インフルエンサーの発言は大きな影響力を持ちます。 -
広告への嫌悪感と広告ブロック技術の普及:
インターネット上にあふれる広告に対し、一部の消費者は「広告疲れ」や嫌悪感を抱くようになっています。また、広告ブロックツールも普及しており、従来のWeb広告がユーザーに届きにくくなっている側面もあります。インフルエンサーによるPR投稿は、広告色が薄く、フォロワーにとって有益なコンテンツとして受け入れられやすいという特徴があります。 -
ターゲティングの精度向上:
インフルエンサーは、特定の趣味嗜好やライフスタイルを持つフォロワーに支持されているため、企業は自社の商品やサービスに関心を持つ可能性が高い層へ、ピンポイントで情報を届けることができます。これにより、広告費の無駄を抑え、より効率的なマーケティング活動が期待できます。
3. 従来の広告との違い
インフルエンサーマーケティングは、テレビCM、新聞・雑誌広告、Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告など)といった従来の広告手法と比較して、いくつかの明確な違いがあります。主な違いを以下の表にまとめました。
比較項目 |
インフルエンサーマーケティング |
従来の広告(マス広告・Web広告) |
---|---|---|
情報の発信者 |
インフルエンサー(個人、第三者) |
企業(広告主) |
情報の信頼性・共感性 |
高い傾向(個人の実体験や感想に基づくため、共感を得やすい) |
比較的低い傾向(企業による宣伝と認識されやすい) |
アプローチ方法 |
特定のコミュニティやフォロワー層へのターゲティング |
広範な層へのマスアプローチ、またはデモグラフィック等によるターゲティング |
情報の伝達形式 |
共感やストーリーを重視したコンテンツ、双方向コミュニケーションの可能性 |
企業メッセージの一方的な伝達が中心 |
消費者への印象 |
口コミ、推奨、有益な情報として受け入れられやすい |
広告として認識され、スキップされたり無視されたりすることも |
主な訴求ポイント |
リアルな使用感、体験談、ライフスタイルへの親和性、世界観 |
製品・サービスの機能、スペック、価格、ブランドイメージなど |
柔軟性・即時性 |
企画から実行までのスピードが比較的速く、トレンドに合わせた展開が可能 |
企画から実行までに時間がかかり、修正も容易ではない場合がある |
このように、インフルエンサーマーケティングは、消費者の購買行動が変化し、SNSが情報流通のハブとなった現代において、非常に有効なコミュニケーション手段の一つと言えます。従来の広告手法を完全に置き換えるものではありませんが、これらを組み合わせることで、より多角的で効果的なマーケティング戦略を展開することが可能です。
インフルエンサーマーケティングのメリットとデメリット
インフルエンサーマーケティングは、多くの企業にとって魅力的な施策ですが、その実施にあたってはメリットとデメリットを正確に理解しておくことが不可欠です。ここでは、インフルエンサーマーケティングがもたらす恩恵と、注意すべき課題点を詳しく解説します。
1. インフルエンサーマーケティングのメリット
インフルエンサーマーケティングを導入することで、企業は多岐にわたる恩恵を享受できます。従来の広告手法では難しかった消費者との深い関係構築や、ブランドメッセージの自然な浸透が期待できる点が大きな特徴です。
ターゲット層への高い訴求力
インフルエンサーは、特定の興味や関心を持つフォロワーと強い信頼関係を築いています。そのため、企業が自社の製品やサービスに合致するインフルエンサーを選定することで、狙いたいターゲット層へピンポイントに、かつ効果的に情報を届けることが可能になります。フォロワーはインフルエンサーの意見や推奨を信頼しているため、広告特有の警戒心を持たれにくく、メッセージが受け入れられやすい傾向にあります。
消費者の購買行動への影響力
インフルエンサーが実際に商品を使用した感想や体験談を共有することで、消費者の共感を呼び、購買意欲を直接的に刺激します。特に、若年層を中心に、意思決定プロセスにおいてインフルエンサーの意見を重視する傾向が強まっています。
口コミ効果による情報の拡散
インフルエンサーによる投稿は、フォロワーによる「いいね!」やコメント、シェアといったエンゲージメントを誘発しやすく、オーガニックな形で情報が広範囲に拡散される「口コミ効果(バズマーケティング)」が期待できます。
SEO効果も期待できる可能性
インフルエンサーの投稿により、自社サイトへのリンクやブランド名言及が増加し、検索エンジンからの評価向上や指名検索増加といった副次的なSEO効果が見込まれます。
2. インフルエンサーマーケティングのデメリット
インフルエンサー選定の難しさ
フォロワー数や見た目の人気だけでは判断が難しく、ブランドとの親和性やフォロワーの質、エンゲージメントの高さなど多面的な判断が必要です。
ステルスマーケティングのリスク
PRであることを隠して投稿することは景品表示法違反になるリスクがあり、発覚すれば企業の信頼を大きく損なう可能性があります。
炎上リスクの可能性
過去の不適切な言動や投稿表現によって、炎上やブランド毀損のリスクがあるため、事前チェックと危機管理体制の構築が不可欠です。
効果測定の難しさ
売上貢献度やROIの正確な把握が困難であり、定量・定性両面からの評価設計が求められます。
インフルエンサーマーケティングの始め方 5つのステップ
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、計画的かつ戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、具体的な5つのステップに分けて、インフルエンサーマーケティングの始め方を詳細に解説します。これらのステップを順に実行することで、効果的な施策を展開し、期待する成果を得られる可能性が高まります。
▼ インフルエンサーマーケティングの進め方をより詳しく確認したい方はこちら!
ステップ1: 目的とKPIの設定
インフルエンサーマーケティングを始めるにあたり、最初に行うべき最も重要なステップは、施策の目的とKPI(重要業績評価指標)を明確に設定することです。目的を明確にすることで、施策全体の方向性が定まり、より効果的な戦略を立てることができます。
- 新商品の認知度向上
- ブランドイメージの向上・浸透
- ECサイトへの集客増加
- 具体的な商品やサービスの購買促進
- イベントへの参加者増加
目的を設定したら、その達成度を測るための具体的なKPIを設定します。KPIは、測定可能で、具体的、達成可能、関連性があり、期限が設定されている(SMART)ものが理想的です。代表的なKPIには、リーチ数、インプレッション数、エンゲージメント率(いいね、コメント、シェア数など)、ウェブサイトへの遷移数、コンバージョン数(商品購入、会員登録など)、指名検索数の増加などがあります。
目的 |
KPIの例 |
---|---|
ブランド認知度向上 |
リーチ数、インプレッション数、ブランド名での指名検索数 |
エンゲージメント向上 |
いいね数、コメント数、シェア数、保存数、エンゲージメント率 |
商品購入促進 |
ウェブサイト遷移数、コンバージョン数、クーポンコード利用数 |
イベント集客 |
イベントページへのアクセス数、申込数、ハッシュタグ投稿数 |
ステップ2 :ターゲットとペルソナの明確化
次に、誰に情報を届けたいのか、つまりターゲット層を明確にし、具体的なペルソナを設定します。ペルソナとは、ターゲット層の中から具体的な一人の顧客像を詳細に設定したものです。ペルソナを具体的に描くことで、そのペルソナに響くメッセージや、好むインフルエンサーのタイプが明確になります。ターゲットとペルソナを明確にすることで、以下のようなメリットがあります。
- インフルエンサー選定の精度向上
- 投稿コンテンツの訴求力向上
- 施策全体の費用対効果の改善
ステップ3: インフルエンサーの選定
目的とターゲットが明確になったら、いよいよインフルエンサーを選定します。このステップはインフルエンサーマーケティングの成否を大きく左右する非常に重要なプロセスです。単にフォロワー数が多いだけでなく、自社のブランドや商品と親和性が高く、設定したターゲット層に強い影響力を持つインフルエンサーを見つけ出す必要があります。
インフルエンサー選定のポイント
- ブランドとの親和性:世界観や価値観、投稿内容がブランドと合っているか
- フォロワーの質と属性:ターゲットと一致し、アクティブな反応があるか
- エンゲージメント率:フォロワーに対する反応率が高いか
- 投稿の質とクリエイティビティ:魅力的なコンテンツを発信しているか
- 過去のPR投稿実績:他社案件の内容や評判、ステマリスクの有無
- コミュニケーション能力と信頼性:丁寧な対応・納期順守の可否
-
炎上リスクの有無:過去の問題行動や倫理観に問題がないか
インフルエンサーへの依頼方法
インフルエンサーへの依頼には以下の3つの方法があります:
-
直接依頼(DMなど)
仲介手数料が不要ですが、自社ですべての交渉・管理を担う必要があります。 -
キャスティング会社に依頼
ネットワークと実績を持つ専門会社に任せ、企画・効果測定までトータルサポートが可能です。 -
インフルエンサープラットフォームを活用
多数の候補へ一括アプローチでき、コストを抑えながら展開できます。
ステップ4: 施策の企画と実行
インフルエンサーが決まったら、具体的な施策の企画と実行に移ります。インフルエンサーの強みや個性を最大限に活かしつつ、企業のメッセージを効果的に伝えるためのクリエイティブな企画が求められます。
投稿内容の企画
投稿内容は、インフルエンサーの普段の投稿スタイルやフォロワーが好むテイストを尊重しつつ、企業の伝えたいメッセージを自然な形で盛り込むことが重要です。インフルエンサーのクリエイティビティを信頼し、ある程度の裁量を持たせることが成功の鍵です。
- ギフティング:商品を無償提供し、感想を投稿してもらう
- イベント招待:新商品発表会などに招待し、体験レポートを投稿
- ライブコマース:ライブ配信で商品を紹介・販売
- 共同開発:インフルエンサーとのコラボ商品開発と情報発信
- アンバサダー契約:長期的な発信を依頼する中長期契約
投稿形式も、フィード・ストーリーズ・ショート動画など最適なものを選定します。
インフルエンサーと密に連携を取り、双方が納得する形で企画を構築することが重要です。
PR表記の徹底
インフルエンサーマーケティングを実施する上で、ステルスマーケティング(ステマ)と誤解されないよう、PR案件であることを明示することは極めて重要です。
具体的には、投稿内に「#PR」「#広告」「#プロモーション」「#タイアップ」「〇〇(企業名)から商品提供を受けて投稿しています」といったハッシュタグや文言を、消費者が明確に認識できる形で表示する必要があります。
ステップ5: 効果測定と改善
施策を実行したら、それで終わりではありません。必ず効果測定を行い、その結果を分析し、次回の施策に活かすための改善点を見つけ出すことが重要です。
効果測定は、ステップ1で設定したKPIに基づいて行います。例えば、以下のような指標を収集・分析します。
- リーチ数・インプレッション数:どれだけ多くの人に見られたか
- エンゲージメント数・率:いいね、コメント、シェア、保存などの反応
- ウェブサイト遷移数・クリック数:自社サイトへの誘導数
- コンバージョン数・率:購入、登録、問い合わせなどの最終成果
- ハッシュタグ使用数:指定タグがどれだけ活用されたか
- 指名検索数:ブランド名や商品名の検索数の変化
- 売上貢献度:可能なら売上への具体的影響を分析
インフルエンサーマーケティングの成功事例
インフルエンサーマーケティングは、多くの企業がその効果を実感し、積極的に導入しています。ここでは国内企業の事例を業界別に紹介します。
アパレル業界の事例
アパレル業界は、視覚的訴求が重要なため、InstagramやYouTubeとの相性が良く、多くの成功例があります。
アパレル会社Aは、新商品プロモーションやコーディネート提案において、トップ〜ナノインフルエンサーまで幅広く活用しています。
-
施策内容:
- Instagramでの新作着用投稿・コーディネート提案
- YouTubeでのレビュー・着回し紹介
- ライブ配信による商品紹介・リアルタイムQ&A -
成果:
- ターゲット層への認知拡大
- フォロワーからの共感・購買促進
- ECサイトへの流入増加と売上向上
- UGCの増加による口コミ波及 -
ポイント:
- ブランド世界観に合致するインフルエンサーを選定
- 継続的な起用で関係性を築き、自然で信頼感のある発信を実現
コスメ業界の事例
コスメ業界では、商品の使用感や効果をリアルに伝えることが重要であり、インフルエンサーによるレビューコンテンツが消費者の購買行動に大きな影響を与えます。
コスメ会社B は、ブランドごとのターゲットやコンセプトに応じて多様なタイプのインフルエンサーと協業。美容系YouTuberやインスタグラマーによる詳細な商品レビューやチュートリアル動画が高く評価されています。
-
施策内容:
- 美容系インフルエンサーへの新商品ギフティングとレビュー依頼
- メイクアップアーティストによる活用方法の動画デモ配信
- インフルエンサーとのコラボ商品開発・プロモーション
- オンラインイベントでのQ&Aやバーチャルタッチアップ -
期待される成果:
- 機能性・使用感に関する信頼性の高い情報提供
- トライアル促進とリピート率の向上
- ブランドロイヤルティ向上と固定ファン育成
- SNSでの話題化・口コミによる情報拡散 -
ポイント:
- インフルエンサー自身の言葉を重視し、演出過多を避けることで共感と信頼を獲得
- 薬機法に配慮した表現管理も徹底
食品業界の事例
食品業界では、美味しさや利用シーンをいかに魅力的に伝えるかが鍵。インフルエンサーによる食卓提案やアレンジレシピ紹介が有効です。
食品会社C は、ビールや清涼飲料のプロモーションにおいて、多様なインフルエンサーを起用。ライフスタイル系や料理研究家との連携により、豊かな食卓や飲用シーンを演出しています。
-
施策内容:
- 料理家・グルメ系インフルエンサーによるレシピ開発&投稿
- ライフスタイル系による自宅飲み・パーティーの紹介
- 季節イベント(花見、BBQ等)を絡めたタイアップ投稿
- オンライン試飲会・ファン向けイベント開催 -
期待される成果:
- 飲用機会創出と新たな商品の魅力発見
- 親近感の醸成とブランド好感度の向上
- UGC(ユーザー投稿)増加による自然な拡散
- 店頭購買の促進と売上向上 -
ポイント:
- 商品特性とライフスタイル理解に基づくコンテンツ設計
- 投稿を通じて、商品が生活に自然に溶け込むシーンを演出し、購買意欲を刺激
インフルエンサーマーケティングの効果測定のポイント
インフルエンサーマーケティングを成功に導くには、効果測定と分析が欠かせません。正確なKPI設定とツールの活用によって、施策のROIを把握し、改善につなげましょう。
1. 設定すべき主要なKPI
リーチ数とインプレッション数
- リーチ数:投稿が届いたユニークユーザー数(何人に見られたか)
- インプレッション数:投稿が表示された合計回数(同一人物の重複含む)
ブランド認知やキャンペーンメッセージの浸透を測る際に有効なKPIです。
エンゲージメント率(いいね・コメント・シェアなど)
- エンゲージメント数:投稿に対するユーザーの反応総数(いいね、コメント、保存、シェアなど)
-
エンゲージメント率の算出式:
- エンゲージメント ÷ リーチ × 100%
- または エンゲージメント ÷ インプレッション × 100%
共感・関心の強さを示す指標です。コメントの内容は消費者インサイトの宝庫、シェアは自然な情報拡散の目安となります。
ウェブサイトへの遷移数とコンバージョン数
- 遷移数(クリック数):投稿やプロフィールリンク経由でサイトを訪れた人数
- コンバージョン数(CV数):サイト訪問者のうち、購入・申込などの行動に至った人数
- CV率の算出式:CV ÷ 遷移数 × 100%
Google AnalyticsやGA4でのトラッキングに加え、UTMパラメータや専用クーポン・リンクを使うと測定精度が向上します。
指名検索数の変化
指名検索とは、企業名、ブランド名、商品名、サービス名など、特定の固有名詞で検索エンジン(GoogleやYahoo! JAPANなど)を使って検索される行動を指します。インフルエンサーマーケティング実施後に、これらの指名検索の数が増加した場合、ブランドや商品に対する一般消費者の認知度や興味関心が高まった可能性が考えられます。これは、インフルエンサーの紹介によって初めてブランドを知った、あるいはもっと詳しく知りたいと思ったユーザーが増えた結果と解釈できます。
指名検索数の変化は、Google Search ConsoleやGoogle Trendsといった無料ツールを用いて確認できます。施策実施前後の期間で比較し、顕著な増加傾向が見られれば、インフルエンサーマーケティングが間接的にブランドリフト効果をもたらしたと評価できるでしょう。ただし、テレビCMや他の広告施策など、同時期に実施している他のマーケティング活動の影響も考慮に入れ、複合的な要因を分析する必要があります。
2. 効果測定ツールの活用
インフルエンサーマーケティングの効果測定を効率的かつ正確に行うためには、専用ツールやSNSプラットフォームが提供する分析機能の活用が推奨されます。これらのツールを利用することで、手動では収集が困難な詳細なデータを自動で取得し、多角的な分析が可能になります。施策の規模や目的に応じて適切なツールを選びましょう。
主なツールとしては、以下のような種類があります。
- 各SNSプラットフォームの公式分析ツール(例:Instagramインサイト、YouTubeアナリティクス、TikTokアナリティクスなど):無料で利用でき、基本的なリーチ数、インプレッション数、エンゲージメント数、フォロワー属性などを確認できます。まずはこれらの公式ツールからデータを確認するのが基本です。
- インフルエンサーマーケティング専用ツール:国内外の多くの企業が提供しており、インフルエンサーの選定支援からキャンペーン管理、効果測定レポートの自動作成まで、一気通貫でサポートしてくれるものもあります。フォロワーの質(アクティブ率、興味関心など)の分析やエンゲージメント率の推移、過去のPR投稿の実績など、より詳細なデータを得られる場合が多いです。
- ウェブサイトアクセス解析ツール(例:Google Analytics 4):UTMパラメータと連携することで、インフルエンサー経由のウェブサイト流入数、セッション時間、直帰率、ページビュー数、そして最終的なコンバージョン数や売上金額などを詳細に追跡できます。目標到達プロセスを設定すれば、ユーザー行動のボトルネックも発見しやすくなります。
- ソーシャルリスニングツール:SNS上の特定のキーワード(ブランド名、商品名、キャンペーン名など)を含む投稿や会話を収集・分析し、ブランドイメージの変化、消費者のポジティブ・ネガティブな反応、口コミの拡散状況などを把握するのに役立ちます。インフルエンサーの投稿に対する直接的なコメントだけでなく、UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)の広がりも追跡できます。
これらのツールを目的に応じて単独で、あるいは組み合わせて活用することで、より網羅的で深い効果測定が実現できます。自社の目的、予算、分析したい項目、そして担当者のスキルレベルに合わせて最適なツールを選定することが重要です。
まとめ
インフルエンサーマーケティングは、ターゲット層への高い訴求力と消費者の購買行動への影響力から、現代のマーケティング戦略において非常に有効な手段です。従来の広告とは異なり、口コミによる自然な情報拡散が期待できます。しかし、ステルスマーケティング規制への対応や適切なインフルエンサー選定が成功の鍵となります。本記事で解説した基礎知識、始め方、効果測定のポイントを参考に、効果的な施策を展開しましょう。
おすすめ資料をダウンロードする
インフルエンサーマーケティングの進め方が具体的なステップでわかる「インフルエンサーマーケの進め方」を無料配布中!
▼今すぐダウンロードする▼
インフルエンサーマーケティングの支援についてはTIMELINEまでお気軽にご連絡ください。